ゲームにおいてもスポーツにおいても、自分のプレイを振り返ることは実力の向上に役立ちます。
将棋の世界では、勝った試合よりも負けた試合の分析の方が重要なのだそうです。
敗戦における自分の悪手(自分を不利にした一手)を突き止め、そこでの最善手を考えなおし、同じ敗戦や悪手を繰り返さないようにすることが上達には不可欠とのことです。
もちろん、Hearthstoneにおいても同様のことが言えます。
カードゲームという性質上、最善を尽くしても運の要素だけで負けることはありますが、ほとんどの敗戦には上達の糧となる分析すべきプレイがあります。
Hearthstoneにはリプレイ機能がないので、客観的な視点から自分のプレイを振り返るには、試合を録画することが最適な手段となります。
PC上で動くゲームや映像を録画保存するソフトは、有料であったり、操作に支障をきたすほどの負荷を発生させたり、録画ファイルのサイズ圧縮という面倒な作業を必要とするものが少なくありません。
そこで、様々なゲームの録画手段として広く用いられているOpen Broadcaster Software(以下OBS)というソフトウェアをご紹介します。
OBSは、完全無料でありながら高機能で、PCへ負担をかけずに高画質な動画ファイルを作成してくれるソフトウェアです。
OBSの本来の用途は、「Twitch」や「ニコニコ生放送」などの動画配信サービスへ動画を配信することです。
ただ、OBSには動画の配信先をローカルPCにするオプションがあります。
これを利用することで、ゲームのプレイ内容を動画ファイルとしてPCに保存させることができます。
以下に、OBSを用いてHearthstoneのプレイ動画をPCに保存する方法を掲載します。
まず、OBSの公式サイトより、PCのOS(WindowsかMac)に基づいたプログラムをダウンロードし、PCにインストールします。
OBSを起動します。
下部の「設定」ボタンをクリックし、設定画面へ移ります。
設定の「一般」では、設定内容を個別に保存できる設定プロファイルを管理できます。
適当な設定プロファイル名を入力して「追加」ボタンをクリックします。
下部の「適用」ボタンをクリックし、左側のメニューより「エンコード」を選択します。
設定の「エンコード」では、保存する動画ファイルの画質と音質を指定できます。
ビデオとサウンドのビットレートを高くすると、動画ファイルは高画質および高音質になりますが、ファイルの容量が大きくなります。
Hearthstoneのリプレイ用途ならば、ビデオのビットレートは1000kbps、サウンドのビットレートは64もあれば十分です。
お使いのPCの環境や録画時間に合わせて調整してください。
下部の「適用」ボタンをクリックし、左側のメニューより「放送設定」を選択します。
設定の「放送設定」では、動画の配信先を指定できます。
PCに動画を保存する場合は「モード」を「ローカル録画」にします。
「ファイルパス」より、動画ファイルの保存先と動画のファイル名を指定します。
動画のファイル名を拡張子だけ(.mp4)にすると、録画のつど、自動的に録画日時がファイル名となって保存されます。
下部の「適用」ボタンをクリックし、左側のメニューより「ビデオ」を選択します。
「解像度」の「配信映像」は、録画対象となるプログラムの画面サイズです。
Hearthstoneのオプションの「Graphics」設定と同じ解像度をここに入力します。
「解像度の縮小」より、保存する動画ファイルの画面サイズを縮小してファイルの容量を減らすことができます。
PCの環境にもよりますが、Hearthstoneのリプレイ用途ならば1280×720もの画面サイズがあれば十分でしょう。
下部の「適用」ボタンをクリックし、左側のメニューより「サウンド」を選択します。
設定の「サウンド」より、保存する動画ファイルの音源となるサウンド・デバイスが正しく選択されていることを確認します。
個人のリプレイ用途ならば、マイク等の音声入力デバイスはもちろんのこと、サウンド再生デバイスすら無効にしても構いません(無音の動画が作成されます)。
下部の「OK」ボタンをクリックしてメイン画面に戻ります。
Hearthstoneを起動します。
続いて、OBSのメイン画面下部の「ソース」の枠内で右クリックをし、「追加」→「ゲームキャプチャ」とたどります。
ここで、録画対象となるプログラムを選択します。
「プログラム」より、起動しているHearthstoneを選択し、下部の「OK」ボタンをクリックします。
メイン画面下部の「ソース」の「Hearthstone」がチェックされていることを確認し、「配信プレビュー」ボタンをクリックしてHearthstoneのプレイ内容が適切に表示されるかどうかをテストします。
以上で設定は完了です。
この状態で「録画開始」ボタンをクリックすると、指定した保存先にHearthstoneのプレイ動画が保存されます。
録画を終えるには「録画停止」ボタンをクリックします。
4~5年前のWindows PCでも、プレイの支障なしに録画できたことを確認しています。
ぜひ活用してみてください。
なお、以上までに示した設定で録画すると、録画ファイルは10分につき約80MBの容量になります。
もちろん、動画配信サービスへプレイ内容を配信するという本来の用途においてもOBSは高い機能性を備えています。
配信する際には、設定の「放送設定」の「モード」を「配信」にして配信設定を行い、各配信サービスに適した動画設定に調整してください。
設定内容は個別にプロファイルとして保存可能で、設定の「一般」より容易に切り替えられます。